経営計画を作っている企業はどれくらいあるでしょうか。
大企業であれば作っていない企業はないかと思いますが、私個人の感覚でいうと中堅企業はともかくとして小規模零細企業の9割は経営計画を作っていないんじゃないかと思っています。
ということで経営計画の立案割合について調べてみたところ以下のようなデータが見つかりました。
2016年に中小企業庁が取りまとめた調査によると、
経営計画を作成したことがある事業者は法人で64.0%、個人事業者で43.9%という数字でした。
え!?
意外と多い!
私の予想では1割、良くても2,3割くらいじゃないかと思いました。
さらに掘り下げて見てみると
経営計画を作成した背景・動機(複数回答)で上位に入ったのは
・補助金申請で必要となったから 59.1%
・業績を向上させたいから 58.1%
でした。
なるほど、たしかに補助金申請のためには経営計画を作る必要があります。
ただ、そういった事情も踏まえると中小企業における本当の経営計画普及率はそう高くないのかもしれません。
第一に「作成したことがある」という表現は過去に一度でも作成したことがあり、それを継続的に運用しているかは度外視されていること
第二にその経営計画がどの程度のレベルのものなのかは問われていないということ
正直な話をすると、補助金申請時に作成する経営計画は補助金を獲得する為の計画であって
その計画をしっかりと運用して成果を出していくというものになっていないことがとにかく多いのです。
それがゆえに補助金を獲得できたらもう計画のことなんて忘れてしまう。ということもよくあると思います。
一方で同調査には経営計画を作成したことがない経営者に「経営計画を作成したいと思わない理由」という項目もありました。
その中で上位の回答は以下の通りです。
・現状維持ができれば良いため 41.9%
・「計画」など大仰なものは不要なため 37.2%
・経営内容を熟知していれば不要なため 37.0%
・時間的な余裕がないため 33.4%
・事業環境変化が激しく先が見通せないため 28.4%
・効果に懐疑的なため 23.3%4
この回答は確かに私が普段中小企業と接していて感じる割合と一致しているように思います。
たしかに経営計画の必要性が薄い企業もあります。
ただ、ほとんどの企業では経営計画の正しい作り方を知り、運用することで大きな効果を発揮してくれると思っています。
たとえ
方針が現状維持であっても
経営内容を熟知していても
時間的な余裕がないからこそ
事業環境の変化が激しく先が見通せないからこそ
経営計画は力を発揮してくれます。
そんな経営計画の魅力について語りだすと長くなってしまうので
「経営計画の力」シリーズとしていくつかの記事でお伝えしていこうと思います。
経営計画の効果に懐疑的な人にこそ聞いてほしい、そんな内容ですのでぜひ見ていただけると嬉しいです。